UWBアンテナとは

UWBとは、Ultra Wide Band (超広帯域)の略で、この用語自体は1990年頃から使われるようになった。
ただし、原理自体はかなり以前から知られていて、いくつもの研究例がある。
定義はいくつかあるが、米国の連邦通信委員会(Federal Communications; FCC)では、
「搬送波に対する占有帯域の割合である比帯域が20%以上、あるいは占有帯域が500MHz以上」
という定義になっている。他には比帯域を25%以上とする定義も一般的である。





UWBで用いられるアンテナの条件


UWBは非常に広帯域な周波数領域を使用するため、アンテナもこれに対応するものを使用する必要がある。
広帯域アンテナとしては、たとえば自己補対構造を持つアンテナが挙げられる。
UWBアンテナの持つべき特性としては、指向性が周波数変化にそれほど過敏に依存しないことが求められるが、
実際には入力インピーダンスのほうが超広帯域にわたって入力インピーダンスをほぼ一定に保ち、VSWRを
低く抑えることが重要とされている。またインパルス状の信号を送受信することから、アンテナのもつ
群遅延特性や位相中心の変動が周波数によって大きく変動しないことも大きな要素である。
たとえば対数周期アンテナ(ログペリ)などは広帯域なアンテナとして知られているが、これは広帯域といっても、
ある通信に用いられているのは狭い周波数領域であり、UWBのように一つの通信でれんぞくに広い帯域を
用いる通信に対しては、群遅延が周波数特性をもつことなどから適しているとはいえない。
このように用途によって要求される性能をすべてみたすアンテナを探すことができない場合もあるため、
単なる広帯域なアンテナというのではなく、実際にシステムで用いられるときに生じるであろう問題点を
解決したアンテナの開発が求められている。










本研究室では、このUWBアンテナについて、PLANC-MM(アンテナ解析ソフト)を用いて解析を行っています。
また、その解析結果より実際にアンテナを試作し、解析したときの結果と比較しています。
試作しているアンテナは、銅板を用いており、銅板を円の形にしてアルミ板に装着させています。銅板の円の形は、直径30mm,46mm,60mmの3つです。また、銅板を三角形の形に切り抜いて、それをカールさせたアンテナ(シングルカールアンテナ)も試作をして実験を行っています。このシングルカールアンテナについては、理工学部と生産工学部と工学部で合同に研究を行っています。
今後は、円形およびシングルカールアンテナの他に、四角形やひし形などのアンテナを試作し、実験を行ってみたいと考えています。








この写真は、シングルコインアンテナの写真です。銅板を円形に切り抜き、
縦30cm×横30cmのアルミ板に装着しています。写真のシングルコインアンテナの直径は30mmです。
ちなみに、写真右側に見えるシングルコインアンテナは、手前から直径60mm、46mm、30mmです。








この写真は、シングルカールアンテナの写真です。
銅板を三角形に切り抜き、三角形の頂点を底辺にむかって折り曲げる形になっています。
このシングルカールアンテナの寸法は、高さ10cm×底辺3cmです。
給電点は三角形の頂点で、底辺をグランド板に接続しています。

シングルカールアンテナのグランド板も縦30cm×横30cmです。













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