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研究内容

当研究室では、ネットワークを介して学習を支援し、学力の向上を目指す研究を進めています。その一つがインターネットで、遠隔地でも授業ができるようにする双方向の教育支援システムであるWebCAIの開発です。また、WebCAIの回答データを分析し、結果を個別学習に活かしています。さらに、生体計測機器を用いて学習時の脳波や眼球運動を測定することにより、効率よい学習や学力向上のためのメカニズムの解明にも取り組んでいます。

テーマ

  • クレペリン検査中における脳波解析
  • 学習支援システムの開発
  • 学習型コースウェアのデータ解析
  • モバイル端末を活用した最短避難経路探索システムの開発

2019年度研究テーマ

クレペリン検査中における脳波解析

 学習モデルとしてクレペリンを対象に、脳波のリラックス(α波)と集中(β波)のパワースペクトルの比(Cα/Cβ)を指標として、回答数との関係を調べている。図1から、男女問わず「左脳」前頭部ではα波とβ波のバランスが良いほど回答数が多いことがわかる。また、「両利き男性」と「女性右利き女性」は、左脳F3と右脳F4のバランスが良いため誤答数が少ないことを明らかにしている。さらに、図2の電位マップでは、「両利き男性」は日常生活で両方の手を使うために右脳が活動的であり、「女性」は男性に比べて脳梁が太いために右脳が活動的である。ただし、「右利き男性」の左脳F3のCα/Cβと回答数の相関はあるが、右脳F4の相関はない。日常の生活において、「右利き男性」は左手を意識的に使えば右脳が活発になり、さらに効率良い学習が行えるものと期待できる。
 本研究の一部は科学研究費補助金(基盤研究C:課題番号15K01092)によって行われた。

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学習支援システムの開発

 従来、PCと携帯は学習教材が共通で利用することが難しく、それぞれに作成する必要があった。そこで、PCと携帯の両方で共通の問題が利用できる学習支援システム(LMS)を開発している。この結果、PCと携帯の双方から教材や成績を扱うことができる。図はC言語基礎No.Aの問題項目の一例で、(a)はPCで、(b)はモバイル端末で表示している。設問数は4問で、右フレームの「判定」ボタンを押すと、回答した学習データがLMSサーバへ送信され、正誤判定される。テスト型では正答率に関係なく次の問題画面が提示されるが、繰り返し回答型では正答率が80%以上でなければ次の問題が提示されない。
 本研究の一部は科学研究費補助金(基盤研究C:課題番号11680228)によって行われ、2020年度も引き続いている。

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学習型コースウェアのデータ解析

 演習問題コースウェアには、合格点に到達するまで何度も回答する繰り返し型と、制限時間内で回答するテスト型に分けられる。繰り返し型では学習時間が、テスト型では得点が評価の対象になる。これらの学習データ(学習時間、得点)からコースウェアの妥当性や学習者の能力を評価している。表1はC言語演習問題コースウェアである。図1は学習時間のマハラノビス距離D2を示している。学習時間のD2の小さい短時間グループが全学習者の80%を占めている。選択式問題のため、なだらかに減少し、かつ広い範囲まで分布している。図2は学習時間のSN比を示している。問題項目の左側(●印)は直交表の第1水準、右側(○印)は第2水準のSN比を示し、実線と破線は、それぞれ表1のC言語基礎と応用の分類を示している。左下がりのNo.C(while文)は学習時間の長い問題項目であることを明らかにした。
 本研究の一部は科学研究費補助金((基盤研究C:課題番号24501215)によって行われた。

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モバイル端末を活用した最短避難経路探索システムの開発

 災害時に、被災した場所から最寄りの避難所までの最短経路を示し、安全で迅速な避難誘導を行うシステムを開発している。図(a)はタブレット端末で、(b)はスマートフォンで、電話網をWiFiで代替することによって、現在地から避難所及び避難経路と移動経路が継続して地図上に表示できる。避難の途中、待ち合わせ場所や住所不明な写真の場所を含む経由地点を通ることも可能である。家族の安否や移動経路、避難中の現在位置を一目で確認できるほか、公共交通機関が目的地に向かっての移動状況も確認できる。通行止めとなった場合は、最新の情報に更新される。東日本大震災時には避難所B付近の橋が通行不能となり、周辺道路が混雑した。現在、この付近に車の通行可能な橋が完成し、災害時の避難に有用となることが検討できている。

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主な設備

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